キャリアチェンジとは

変化の激しい時代の中、大学の専攻だけで職業人生を50年過ごすことは、非常に難しくなってきました。そのような背景で、若い方だけではなく中高年含め、キャリアチェンジを考える方や、検討せざるをえない方も多くなっているかと思います。

キャリアチェンジは、一般的にはそれまで経験してきた業界・職種から、経験のない業界・職種に変わることを指します。私の考えるキャリアチェンジは、アンゾフの製品・市場マトリックスを転職市場に応用して、以下のいずれかのパターンになると考えます。市場はそのまま業界となりますが、製品はそれぞれの方の職種、具体的にはその職種に必要な経験・スキルを指しています。それぞれのパターンでの転職について、メリット・デメリットなどご説明します。

”キャリアチェンジ”

  1. 市場浸透戦略
    こちらはキャリアチェンジでない場合で、同じ業界・同じ職種に転職するケースとなりますが、実際転職する方はこのパターンが多いのかなと思います。同じ業界・職種ですので転職リスクが低いですし、競合に移る場合、業界に知り合いも多く、転職者にとっては安心です。また、転職先の会社にとっても即戦力であり、中途採用のための教育コスト・時間を抑えられますので、お互いにWin-Winです。
    一方、転職者にとっては、自身の経験・スキル・人脈などにおいて、新規性が低い点は長い目でみるとデメリットになるかと思います。また、マーケットが縮小している業界の場合には、今後の転職先がより狭まる可能性があります。短期的には最も効率的な戦略ですが、長期的な視点ですと不安なケースもあるかもしれません。
  2. 新製品開発戦略
    こちらは同じ市場(業界)のまま、新しい職種にチャレンジするパターンとなります。転職者にとっては、過去の業界経験・人脈を活用しつつ、初めての職種にチャレンジできますので、自身の仕事の幅は広がるメリットがあります。転職先の会社にとっては、候補者の過去の業界経験・人脈を重視したり、ポテンシャル能力を期待した採用となります。
  3. 新市場開拓戦略
    こちらは自身の経験・スキルを活用して、新しい業界にチャレンジするパターンとなります。転職者にとっては、コアスキルを活用しながら、新しい業界・人脈を開拓することになり、自身の見方が広がるメリットがあります。転職先の会社にとっては、異なった業界の異なった見方・経験を期待されていたり、今後伸ばしたい業界出身者を意図的に採用するケースもあるでしょう。
  4. 多角化戦略
    異なる業界・職種への転職は、キャリアチェンジとしては最もチャレンジングなケースとなります。20代・30代前半くらいまでは、そのようなケースも少なくないでしょうが、40代以降になると、かなり難しいかと思いますし、転職支援会社で中高年の場合、このケースは時間がかかりますので、対応してもらえないことも多いでしょう。
    但し、時間はかかりますが自身の業界が縮小している場合、この領域にチャレンジせざるを得ないケースもあります。この場合には、自身の経験・強み・興味等を徹底的に分析して、全く異なる業界・業種に活かせるものは何か(=ポータブルスキル)を見極める必要があります。人生100年時代を鑑みると、このような経験は今後誰しもあり得ると思います。

キャリアインリズムでは、相談者それぞれの悩み・課題に寄り添った支援を行います。どうぞ、お気軽にご相談ください。

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